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弓指寛治YUMISASHI Kanji
1986年三重県生まれ/東京都在住。「自死」や「慰霊」をテーマに創作を続ける。2021年より「満洲国」を軸に過去の戦争について考えるためのプロジェクトを開始。2024年国立西洋美術館で路上生活者とその支援者達との交流を元にした作品を発表。以来、福祉にも強い関心を寄せる。
作品イメージ
Art
民話,バイザウェイ
ウワバミvs多十郎・七助 2024
作品について
奥能登国際芸術祭2023で、珠洲市に生まれ満洲に渡り戦争を体験した南方寶作さんの人生を追った作品「プレイス・ビヨンド」で注目を浴び、本プロジェクトではアドバイザーとして若手作家の推薦やマルシェ企画に携わる弓指寛治。
今回は、萩原に伝わる民話に、戦中に下呂にいた従軍看護婦の体験記、そして桂川慎一さんの手記より戦時下に下呂から満洲へ渡った「鳳凰開拓団」の記憶へ繋がる物語を約100枚の絵画と言葉で紡ぐ。
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釘町彰KUGIMACHI Akira
1968年神奈川県生まれ/フランス在住。和紙と天然岩絵具を使い、「光、時間、距離」をコンセプトに、文明の起源や人と自然の関係を問う始原的なランドスケープを描く。近年では映像作品も発表、精緻な絵画と映像によるインスタレーションを展開。
FOTOTECA©︎Katsuhisa Kida
Art
来たるべきもの
作品イメージ
作品について
下呂市小坂にある巌立峡は約5万4千年前の御嶽山の噴火により流れ出た溶岩流の断面で、そこを訪れ感銘を受けた作家が、日本画の技法で描いた巌立峡の巨大なモノリスと彫刻、映像によるインスタレーションを制作する。
「これまでも私は、死と生の兆し、人間不在の壮大な自然、そこに垣間見える原始の光を描こうと制作をしてきた。今回は、作品が装置となり、人間のDNAにある膨大な死と再生の記憶を呼び覚ます空間を作る。その空間に入ることで、その土地と自然、自身の生と外界、それらの時間すべてを感じてもらいたい」(作家コメント)。
©photo by Kohei Shikama
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津野青嵐TSUNO Seiran
1990年長野県出身/神奈川県在住。精神科病院で看 護師として勤務しながらファッションスクールで学び、 3Dペンで制作した衣服が注目される。現在は東京工業大学大学院修士課程に在籍し、身体との付き合い方 を衣服制作を通して研究中。『文學界』での連載など執筆活動も行う。
Drawing dress2018
Art
おきゃくさま おごっつおう 食べてくりょ
作品イメージ
作品について
誰もが生きる上で経験する“困りごと”や“苦労”に人々がどのように付き合い、自分自身をケアしているのかということに関心を抱いてきた作家が“お客さん”との付き合い方を考える。
“お客さん”とは、かつて勤務していた精神障害の当事者コミュニティで使われていた用語で、「人の行動に否定的な影響を与える認知や思考」を指し、それらを“お客さん”と呼ぶことで、外部から一時的にやってきたものとして俯瞰できるという。
この“お客さん”をあえてもてなすことで新たな関係性を築くというコンセプトで、“お客さん”のための食卓を頭の上に装着できるヘッドピースとして作品化する。
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クワクボリョウタKUWAKUBO Ryota
1971年栃木県出身/岐阜県・東京都在住。1998年より電子デバイスを素材とした作品制作を始め、2010年以降は光と影によって観る人自身が内面で体験を紡ぎ出すような作品づくりを行う。情報科学芸術大学院大学[IAMAS](岐阜県大垣市)教授。
Lost Windows2013©︎市原湖畔美術館
Art
仮想温泉
イメージスケッチ
作品について
靄の中で、湯の音に混じって人々の話し声が聞こえる。さまざまな人がそれぞれ違う話をしている。姿ははっきり見えず、声だけが混じり合っている。自分の関心を引く話もあれば、聞き慣れない話も聞こえてくる。私はそれらの声に時には耳を傾け、時には聞き流す。忘れかけていたこの距離感、この湯加減。(作家コメント)
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EBUNE×あぐりEBUNE×AGURI
移動する海民をモチーフとしたプロジェクト【EBUNE】は、19年瀬戸内国際芸術祭に始まり、全国各地の作家と共に土地に根差した展示など行い物語を紡ぐ。大阪で活動する【あぐり】は14年設立。争いのない場を広げるため、土器の野焼きや円空彫り、展示など行う。
EBUNE2019©︎瀬戸内国際芸術祭
Art
不死への船路【⊥界】/岐阜・下呂漂着
作品イメージ
作品について
この地域には、不老不死にまつわる「八百比丘尼伝説」と「浦島太郎伝説」が混ざった、海の話が山や川の話に置き換わった全国的にも珍しい民話が残されている。
この民話のあらすじを辿るように、不老不死の館(屋内作品)、人魚のケーキ(マルシェにて地元HORO JIRUSHIとコラボ展開)、竜宮への案内者「小僧に化けたイワナ」(屋外の案内看板)、八百比丘尼をモチーフにした造形作品(屋外展示)を巡り、私たちにとって「不死」とは何なのか、古代から続く人間の在り方を探る作品。
パフォーマンス
山の民による野焼きワークショップ/山の民が降りてくる! パフォーマンスライブ
出演:EBUNE×あぐり
【山の民による野焼きワークショップ】 集合時間:11:00 集合場所:健康学習センター内 総合案内所…
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中﨑透NAKAZAKI Tohru
1976年茨城生まれ。美術家。看板をモチーフとした作品をはじめ、パフォーマンス、映像、インスタレーションなど、形式を特定せず制作を展開している。2006年末より「Nadegata Instant Party」を結成し、ユニットとしても活動。2011年よりプロジェクトFUKUSHIMA!に参加、主に美術部門のディレクションを担当。
色眼鏡でみる風景2020©︎Yuta Togo
Art
Red Line/鯉と鶯の場合
Red line in the forest 2021©︎Koji Nishikawa
作品について
「コミュニケーションの危うさ」に関心をもち、自分が思う自分と他人が見る自分との間の距離、いわば「ズレのようなもの」に焦点を当てて作品を作ってきた作家。
建物やこの場所に残された物に微かに残る記憶や、かつてその家に住んでいた人たちの暮らしを作家独自の視点で捉え、ライトボックスなどを用いて作品化する。
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田中望TANAKA Nozomi
1989年宮城県出身/在住。場所との関わりの中で生じる表現について探究している。現場での体験や文献調査、聞き書きなどをもとに、場所と人との関係性を探り、絵画やエッセイなどで表現を行う。
Art
あなたの根を知る
山づと 〜みずぶき〜©︎©Hiroshi Noguchi
作品について
自ら東北の中山間地域に住みながら、採集の歴史と技術を研究してきた作家。
今回、会場にある こけのみち(旧薬草園)にはかつて400種類の薬草が植えられ、その多くが根付かなかったという。そこで、植物が根付くこと・根付かないことと、人が地域に根付くこと・根付かないことを比較し、人間にとっての根っことは何かを考察する作品を展開する。こけのみちに根付いた植物の瓶づめや、民家の元住民にインタビューを行い「人間の根っこの瓶づめ」を制作、その過程をアニメーションで映し出す。
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山内亮二YAMAUCHI Ryoji
1986年岐阜県下呂市生まれ/愛知県在住。アジアの都市を巡りながら撮影活動を行ってきたが、近年は「変化し続ける地球環境に対して人々はどこに向かうのか」をテーマに、20世紀の遺産を日本に残る建造物や都市と地方の在り方のなかに探し求める。
Japan National Route41©︎Ryoji Yamauchi
Art
国道四十一号拾景
作品イメージ
作品について
”国道四十一号拾景”は名古屋から富山まで縦貫する国道41号沿線の風景を写真で収集し、紡いでいく作品である。現在の中部地区の風景を撮影するのと同時に、自分の育った時代のリアリティを蒐集していく試みだ。
この道路は、中部地区最大の都市である名古屋を起点に、古くから山岳信仰の対象として崇められてきた御嶽山を眺めながら北上する。尾張、美濃を経由して飛騨に入ると日本の原風景や、戦後の日本の繁栄と衰退を感じる建物や施設が目に入ってくる。ある時代の終焉を感じながら、新たな時代へ向けて。道は越中、日本海へと繋がっていく。(作家コメント)
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鈴木初音SUZUKI Hatsune
1995年神奈川県生まれ/茨城県在住。植物を育てることを通じて得られる素材を用いた作品制作を行う。古くから人々が素材を手にし、生きるために加工してきたという事実を追体験し、自身を自然環境へと順応させることを目指す。
川の底へ2022©︎小川大和
Art
川と山のあいだ 種まきに歩く人
息にふれる 2023©︎小川大和
作品について
自然と向き合い、暮らしの中で得られる身近な材料を作品へ利用し、自身を自然環境へと順応させることを目指しているという作家。
会場の畑でかつて栽培され今も繁茂を繰り返している「菊芋」から紙をつくり、地域で集めた種子を漉き込んだ作品と、雄大な山々や下呂温泉を生んだ火山が、そこを流れる水・川というエネルギーによって姿を変えた「川砂」を使ってモルタル(漆喰)をつくり、壁画を制作する。
作品は展示終了後一部土に還され、自然素材から下呂市萩原の風土と大地の循環を紐解く。
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内山翔二郎UCHIYAMA Shojiro
1984年神奈川県出身/在住。鉄を加工した外骨格と、既製品のギアやモーターを組み合わせて昆虫を制作し、レプリカのように細部まで再現するのではなく、観察から特徴を捉え形に起こすような作品を生み出している。2013年、第16回岡本太郎現代芸術賞特別賞受賞。
forever & ever2016©︎中村エリ
Art
生きとし生けるもの
作品イメージ
作品について
古来より、日本人には“虫の声”が聞こえるそうだ。芭蕉の俳句にもあるように、虫の声に耳を傾け、自然との調和を大切にしてきた。しかし、自然との関わりが稀薄になってきている現代においては、日々の生活に追われて虫の声に意識を傾けられなくなっていると感じる。
鉄で作られた昆虫たち は、ギアや歯車をその身体に宿し、現代を象徴するように存在する。南飛騨の美しい清流や雄大な自然との対比から、普段見過ごしがちな生き物たちの息吹を感じ取ることができるだろう。(作家コメント)
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西澤利高NISHIZAWA Toshitaka
1965年岐阜県岐阜市出身/神奈川県在住。数多くのモニュメントの制作・発表などを行いながら精力的に活動しており、近年は芸術祭にて大型のインスタレーションを発表。オランダやメキシコでも大型彫刻の制作を行う。2022年、第29回UBEビエンナーレで大賞受賞。
DISTANCE2022
Art
AS IS(そのまま)_002
作品について
多様な素材を扱い、国内外で屋外彫刻作品を制作してきた作家。2013年にオランダ・デルフトで制作した巨大彫刻「AS IS」の再制作を皇樹の杜にて臨む。
「勢いだけで生まれたAS ISだったがよくよく眺めるとそこにはヌンクスタンス(今の姿勢・永遠の現在・静止している今)の世界があった。”時間の塊の様な長い年月をかけて育った原木がいずれ朽ちて土になりやがて鉄の檻すらも錆びて崩れていくのを想像する瞬間”みたいなものを表現できればと考えている」(作家コメント)
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堀田千尋HORITA Chihiro
1990年北海道出身/神奈川県在住。通り過ぎていくトラックシートや、空き地の色褪せたロープ。ただ「物」として存在している道具を、それらを作る・使う・処分するあらゆる人の介在によって「こと」として捉え、道具そのものを行為へと変換する作品を展開する。
覗きこむ2024©︎西山功一
Art
辿る
作品イメージ
作品について
道のあり方は人々の生活に合わせて変化する。飛驒の道は、古くから交通の要所として道路が整備され、今も当時の面影を残す宿場町が栄えてきた。
飛騨の匠が通った位山官道、運材の管理道路としての飛驒街道、製糸工場への出稼ぎで工女たちが通った野麦街道は、文化や生活用品の行き来だけでなく、産業の発展にも大きく関わってきた道である。本作品は、飛驒の地名や伝説にも残り、古くからの移動手段でもある馬と、今まさに輸送に使われる軽トラックを繋げ、道を通ること、そして通ることで発展してきた南飛驒の産業や生活、街道との関係性を辿る。
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船川翔司FUNAKAWA Shoji
1987年鹿児島県生まれ/大阪府在住。特定の環境や状況から得た経験に基づく作品を、多様な手法を用いて発表している。美術表現のみならず、音楽やパフォーマンス分野など活動の幅は多岐にわたる。
Weather twin
Art
益田風(イチイの木の少し上方では別なる時の風が流れている)
作品イメージ
作品について
「益田風」と呼ばれる萩原に秋から春にかけて吹く強い寒風と、益田風の起因となる位山に多く群生し県木でもあるイチイの木。
飛騨地学研究会と協力し、観測基点のイチイの木モニュメントから観測機を打ち上げ、益田風を地表と上空で観測。観測データと上空録音を、モニュメント周辺の観測跡に光と音の振動で表現する。また健康学習センター内では、観測データを基に益田風の流れに合わせた照明と音声ガイダンスを提供し、訪れた人々の呼吸と風の同調を促す。
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平野真美HIRANO Mami
1989年岐阜県岐阜市出身/在住。愛犬の遺骨の形を再現した作品や、架空の生物ユニコーンを実在の動物のように樹脂で骨、筋肉、内臓を精巧に成形し、生命維持装置につなぐ作品を制作。私たちが気付かぬうちに失った夢や希望・幻想を蘇生させる。
蘇生するユニコーン2014
Art
萩原植物触図
盲学校のワークショップの様子
作品について
こけのみち(旧薬草園)にはかつて400種類の薬草が植栽されていたが、その多くが根付かず樹 名板は撤去され、現在は元々自生する植物を残し「こけのみち」として運営されている。しかしこの地域と薬草の関わりは深く、古くから日々の生活と密接に関わっていた。
これら薬草にまつわる文化を保全するため新たな樹名板となるような作品を考えた作家は、交流のあった岐阜盲学校と協力し、児童と薬草を観察・触察しその特徴を形にした。形は作家の手によってガラスに写し取られ、目にみえる特徴だけではない、植物の様々な要素を記録した「植物触図」として設置される。
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坂田桃歌SAKATA Momoka
2001年大分県生まれ/東京都在住。生まれ育った大分の土地、祖母の畑や厩舎の牛、農耕用のトラックや雑木林を元にした作品を展開。街を俯瞰的に観察し、作家が見た景色や思い出の風景が巨大なキャンパス布に描かれ、作家と共に街を歩くような体験ができる。
私の家からさっちゃん家から私の家2023
Art
思い出ばなしをすごした
作品イメージ
作品について
「私が萩原町の風景を眺めて『誰かにとって特別なものだろう』と想像したとしても、そこで生活している人にとってはなんてことない景色なのかもしれない。
道を歩きながら昔のことを思い出すことは、忘れてしまった思い出を取り戻すような作業だと思う。誰かに話さないと消えてしまうような、記録にもならない思い出の話を私は当たり前のものとして残していきたい。」と語る作家が、住民に取材を重ね、かつての風景や、思い出の場所など、土地に住む人々が見た景色を「記憶の地図」として作品に描き、伝統を繋いでいくように、その土地の未来に紡いでいく。
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渡辺泰幸+渡辺さよWATANABE Yasuyuki+WATANABE Sayo
渡辺泰幸:1969年岐阜県美濃加茂市生まれ/多治見 市在住。
渡辺さよ:愛知県生まれ/多治見市在住。
陶を素材としたインスタレーションや、焼き物を叩いたり、触れて音を愉しむことができるオリジナルの「音具」を 通してその土地の環境を感じる作品づくりを行う。
実の音2015©︎大地の芸術祭
Art
在る音
作品イメージ
作品について
風鈴を人間と人間以外のいきものの境界線に置いていく。風鈴の音は、人間と人間以外のいきものの、存在を認識するために響きわたる。
山林の中にある公園には当然ながら人間以外の来園者が訪れる。彼らの存在を心に置くことは、人間からの視点に偏ることなく同時に自然から見た人間というものを明らかにするためでもある。緑の中で佇む音を感じることで、人間が自然の中の一点であると確認することができる。然うして「我々」となった視線の向こうにどんな景色が見えるのだろうか。風鈴は、岐阜県多治見市の高田焼で制作する。(作家コメント)
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遠藤利克ENDO Toshikatsu
1950年岐阜県高山市生まれ/埼玉県在住。1970年代より焼成した木、水、土、金属などを用い、〈円環〉、〈空洞性〉等を造形の核とする作品を発表。人間の根源を追求した物質感あるダイナミックな彫刻作品により、国内外で高く評価されている。
無題D1987©︎山本糺
Art
空洞の庭
作品について
われわれを取り巻く自然が管理された自然であるとするなら、では、管理されない自然というものは在りうるのだろうか?これがこの作品の初発の動機であった。
大地を円筒状に切開し隔離する。人為から切り離された自然領域を壁の内側に仮設する。そしてその「場」を無期限に放置し続ける。何が起ろうとそこは、関与の外部となる。
粗末な板壁に囲われた円筒の内を、爆音を立てて旋回するオートバイが戦後の田舎町に現れた。その退嬰的な曲芸を見るがごとくわれわれは、塀越しの地底を覗き込む。(作家コメント)